これから私は違う夢を見るかも

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私は2005年7月27日、27歳の時に資本金10万円で会社を設立し、花の画像を載せただけの簡易なホームページと共に自宅で創業した。初月の花の売上は7万4千円だったと思う。期待に胸を膨らませてスタートを切るや否や、ものを売るのは簡単ではないという現実を嫌というほど思い知ることになった。

それでも、幸い取材はたくさんしていただいていたし、毎月着実に伸びていた売上に自信をつけて、翌年には借入と増資をして店舗兼アトリエを作った。上の画像が、南青山の根津美術館の近く、脇道を入ったところに見つけた一軒家の1階に、2006年11月22日にOPENさせた「RE rose」と名付けた、その店舗兼アトリエである。


店舗は、清潔感があってくつろげるような、ギャラリーのような場所にしたいと真っ白の内装にした。濡れた床を気にしたり極度に寒い花のための店舗ではなく、ゆったりと名前の通り様々な「バラ」の魅力を心から楽しんでもらいながら、お茶を飲んだりして人の集える空間を目指した。

主役の「バラ」は、床に置かず、壁に入れて花の表情を立ったまま楽しんでもらいたいと、そのためだけに専用の什器を作ったし、壁にはピクチャーレールを付けて、絵画のように作品を掛けられるようにもした。また、窓を向く方向にはソファを配置し、座ったまま作品を眺められるようにした。

切花、プリザーブドフラワー、アートフラワーと様々なフラワーベースといった、空間を飾るものだけでなく、バラのフレグランスやバスグッツ、キャンドルなど、普段の生活を豊かにしてくれるものを厳選して販売もした。

様々な「バラ」と出会える、念願の「人と花と空間をつなぐ」場所が誕生した。


RE rose の店舗写真

当時書いたショップのコンセプト


今でもOPENした時のあの気持ちは忘れられない。それまでお祝いのお手伝いをするために、花をデザインする立場で、それがどれくらい嬉しいものか本当の意味で体感したことはなかったのだが、実際自分がお祝いの気持ちをたくさん一度に受け取ってみて、本当に幸せだった。同時に、心のこもった贈り物や気持ちは、本当により人にダイレクトに伝わるのだと知ってとても嬉しかった。

また、私の新たな挑戦を、たくさんの方が期待してくださったことに、大きな力をもらったと思う。不便な場所ながら、たくさんの方がお店に足を運んでくれ、人を紹介してくださったり何かオーダーしたり購入してくださったりと、毎回何かある度に感謝や小さな幸せを噛み締める3年だった。


一方で、初めて採用をかけてはじめた店舗経営は本当に難しいものだった。大事な場所を守ろうと頑張ったが、結局継続を断念せざるを得なくなった。そこらへんは、以前のエントリーにも書いた通りだ。


いつかまたこういう場所を作りたいと思っている。まだやりたいことがたくさんあったし、今はできそうなことがもっと大きくなっている。マネジメントも、次はもう少しうまくできると思う。でも、まだ私にはもう少し学ぶべきことがあるようだ。それまで、やるべきことをやって、しっかり力と自信をつけようと思う。

未来は常に開けている。