紅葉のうれい

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紅葉の季節になると桜を思い出し、桜の季節になると紅葉を思い出し、その度に物悲しい気持ちになるということを繰り返していた。

どちらもわずかの間にしか存在しない、特別美しく儚いものだからだ。


花や葉が散る様子に、自分の身に起きた辛かったこととか悲しかったことを重ねて見ていたんだと思う。また、幸せだった時は、失うことが怖かったのかもしれない。



でも、それは辛いことではなく、未来のために、最も大事な部分だけを残すという大事な節目なんだと思えるようになった。そのことによって、より力強く美しく咲く時をまた迎えられるんだと。


本当に自分に大事なものを残して未来に向かえば、芽吹く時は来る。だから、何があってもじっと力を蓄えながら、大事なものを守っていればいい。


これからが少し楽しみになってきた。