花を纏う

f:id:rie_re:20110618113339j:plain

数年前から「花を纏うこと」をテーマにした写真作品を作っている。

一番最初の作品は、フォトグラファーのKitayama Mihokoに、初めての開催となった「Living Matter」と名付けた展示会のメイン作品として、文字通り植物で編んだ胸当てと腰巻きを身に纏って写真を撮ってもらった。

そして、それとは別に洋服のスタイリングブックのような感覚で花を纏うことをカジュアルに提案したいと考えて、どこにでも生えているような草花で作った飾らないブーケをワンピースに合わせて、外で花と遭遇した時の幸せな瞬間みたいなものを切り取るように作品にした。

Living Matter

道ばたで見かけた花を摘んでしまうとか、束ねた花を眺めて思わず微笑んでしまうとか、それを手にして浮かれて歩いたり、それをプレゼントしたり…花は、人が思わず幸せな気持ちでとってしまう行動を引き起こす力を持っている。


昨年は古着の着物を使って、様々なスタイリングと花づかいの提案に挑戦した。大きく分けて、ちょっとした普段着的なものと花魁的な着物のスタイリングの2種類。

普段着的なものは、花をアクセサリーとして使った。帯に芍薬の莟を帯飾りとして挿したり、麦わら帽子に花をつけたりと、1日だけでもそうやって花を身につけることを楽しんでほしいと思ったからだ。切花は出荷された時にもう切れている。できるだけ長く楽しむのもいいけど、たまには1日めいっぱい楽しむというのもやってほしい。

花魁的なものは、テーマを着物に決めた時からどうしてもスタイリングに入れたかった。華やかで、着物の組み合わせや帯の巻き方で個性が出せる少し着崩した着こなしは、現代の女性に合っていると思う。映画の世界の衣装ではなく、パーティーやイベントで実際楽しんで着れるものだ。それぞれのスタイリングに合わせて、いろんな花をアレンジしてみた。様々な「華」を感じてもらえると嬉しい。

Flower Accessories


私の作品は、見ていいなと思ってくれた人が誰でも実際に自分でできるように、普通の場所で手に入る安価なものだけを使って制作している。そして、作品に写っているのは特別な誰かではなくて私だ。

普段の生活に気軽に楽しく花を取り込んでもらったり、花を身につけることに少しでも興味を持ってもらえたらと、できるだけその敷居を下げたいと思ってやっている。少しの工夫と知恵で、人生に+αで花を添えることに貢献できたら嬉しい。

ということで、今年も作りますのでお楽しみに。